ストーリー
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私たちのものづくりは全国でも有数の革靴製造のOEM工場としてはじまりました。最盛期には年間で30万足以上の革靴を製造。千葉の本社工場、新潟工場にて、多くの職人と共に革靴を製造し、グッドイヤーウェルテッド製法やマッケイ製法など当時ではめずらしく本格的な製造技術をもった革靴の職人集団として、多くのメーカーと一緒に革靴を研究し製造してきました。日本人の私たちだからできる日本人の足にあう日本人のための革靴づくりの追求という課題と向き合って。
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しかし、時代の変化とともに製造単価の安い海外の工場に多くのメーカーが生産拠点を変更。価格競争を選び、質を落としてまで革靴製造を続けるくらいであれば、自社のちからで販売する。そんな一大決心のもとに製造販売への取組みを開始します。とはいえ、あくまでも職人集団だった私たちにとっては決して楽な選択ではなく、試行錯誤の連続でもありました。それでも、譲れない革靴づくりへの想い。それは日本人の足を知っている私たちだからこそ「守って繋いでいかなければならない」そんな覚悟でもありました。
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自社販売という試行錯誤のなかで、大切にしていきたいことの整理からはじめ、そこで決めたのが「活動拠点でもある地元の人たちへの恩返しをしよう」ということでした。職人として活動してきた私たちにとっては、その活動を支えてくれたのが地元であり、その何気ない感謝の気持ちに気づけた、そんな機会でもありました。そして始めたのが、妥協をすることなく作った高品質な革靴を良心的な価格で販売する工場直場の販売会というスタイルでした。しかし、素人である私たちにとっては集客方法から接客方法にいたるまで散々たる結果ではありましたが、それでもお客さんから頂いた「ありがとうございました」という言葉に驚きと嬉しさを隠せなかったのを覚えています。それは、そのお客様の「良心的な価格で良い靴が見つかった」という喜びの声ではありましたが、私たちのやっていることを肯定していただけたような気持ちで、今後の活動に希望がもてた。そんな瞬間でもありました。
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「相場５万円する革靴が、ここでは１万円代」そんなフレコミをメディアで取り上げてもらい、また口コミで広がったこの工場直売会も現在では全国で３万人近くの会員様にご登録いただき、愛していただける催事になりました。なかには「こんな安くして大丈夫なの？」と心配のお声をいただくことも多くありますが、私たちがこの販売会をする原点は恩返しをすることにあり、「お客様の喜びのために技術がある」と考えています。結局のところ、お客様を喜ばせるために職人達は技術を磨いており、その喜びが活力となっているのであれば、私たちが求めるものは付加価値による利益追求ではなく、お客様の喜びの追求というところなのです。これからも、お客様から「ありがとう」といってもらえる活動を革靴作りを通して続け、日々進化のなかで技術を磨けることが幸せなことだと感じています。
